マイクロスコープ
マイクロスコープとは
マイクロスコープとは、歯科などで外科的処置を行う時に使用しやすいように工夫された顕微鏡です。 歯科医療は、非常に微細な精度を要求することを特徴としています。例えばむし歯の治療では、悪い部分を取り残すと再発しますし、健康な部分を取り過ぎると歯の寿命が短くなります。また根管治療では、肉眼では見ることができない細い根管内部の感染を除去する必要があります。そんな時にマイクロスコープがあると、対象部位を数十倍に拡大できるので、肉眼では見えないものをしっかりと目視できます。そのため治療の精度が格段に上がり、再発の防止や安全性の確保に大きく貢献するのです。
マイクロスコープを使用する
メリット
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01
高い精度で治療ができる
マイクロスコープを使うと、治療対象部位を数十倍に拡大できるので、治療の精度が大きく向上します。
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02
削る量を最小限に
抑えることができる歯は削るほど寿命が短くなります。マイクロスコープを使えば、悪い部分を取りつつ健康な部分を残すことができます。
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03
身体的な負担の軽減ができる
マイクロスコープを使用すると、切開を最小限にすることができます。そのため治療中の出血や痛み、術後の腫れが少なく、治癒も早いなど、患者さまの身体的な負担を軽減することに役立ちます。
マイクロスコープを
活用できる治療
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マイクロスコープは、対象部位を拡大することで治療の精度を上げるための設備です。歯科の治療において、むし歯を削る際や、歯石の除去、根管治療(歯の神経や血管を包む根管の内部の感染を除去する治療)、口腔外科の治療など、さまざまな局面で活躍します。
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むし歯治療
マイクロスコープの登場以前は、むし歯治療で細かい処置を行う際にはルーペを利用することが一般的でした。しかし、マイクロスコープはルーペよりも拡大率が高いですし、治療部位を照明で見やすくすることができるので、治療の精度が格段に上がります。これによって、悪い部分をしっかり除去して再発を防止しつつ、健康な部分をできるだけ残して歯の寿命を維持する、という二つの重要課題が両立しやすくなっています。
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歯周病治療
マイクロスコープは、歯周病の基本治療である歯石の除去に役立ちます。また、歯周病でダメージを受けた歯槽骨を再生する歯周再生治療にも活用します。歯周再生治療では、歯根に付着した歯垢や歯石などの感染物質を徹底除去することが欠かせないので、マイクロスコープの拡大視野や照明機能があることで、治療の精度向上ができるのです。
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根管治療
根管治療とは、歯の神経や血管をカバーしている根管という組織の内部を清掃し、薬剤を封入する治療です。根管は非常に細いうえに形状が複雑なので、肉眼で内部を見ることは不可能です。そのため、過去の根管治療は歯科医師の勘や経験に頼って行われていました。しかし、マイクロスコープを使うことで根管内を目視できるようになったので、治療の精度が向上し、再治療や抜歯のリスクが大幅に低くなっています。
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審美治療
審美治療では、歯を削る際や、詰め物・被せ物を装着したあとに歯との段差を除去する際に、マイクロスコープを使っています。詰め物・被せ物と歯の間にすき間ができると、細菌が侵入してむし歯が再発する可能性が上がります。すると、せっかく装着した美しい詰め物・被せ物を外さなければなりませんし、大切な天然歯が抜歯に近づいてしまいます。
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口腔外科
マイクロスコープは歯科医療における外科的な処置でも多く活躍します。例えば、親知らずの抜歯でマイクロスコープを使うと、切開や出血の量を抑えることができ、痛みや腫れを少なくできるので、患者さまの身体的負担を軽減できます。
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インプラント治療
インプラントの治療では歯肉を切開する工程があるので、マイクロスコープの有効性が発揮されます。マイクロスコープを使って最小限の切開をすれば傷口の治癒が早いので、インプラント治療の期間短縮に役立つのです。また、セラミックなどの人工歯を装着する際の審美性向上にも貢献します。
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